ニーベルソンの黒い壁

アメリカを代表する女流彫刻家ルイーズ・ニーベルソンの作品は一度見たら忘れられない印象が残ります。黒く塗られた箱状の作品。その中にやはり黒く塗られた様々なカタチが詰め込まれていて、それが壁のようにそそり立っている彫刻。呪術的な祭壇のようでもあり、廃墟のようでもあり、ひしめいた人々のようでもある雰囲気に何とも言いがたい不思議な感動があります。20世紀のプリミテイブアートです。アフリカに古くから伝わる民族的仮面に似た造形要素をもっています。自分の陶彫もニーベルソンの立体から影響を受けていると感じています。自分は学生時代からずっとアメリカの彫刻家としてイサム・ノグチ、ニーベルソン、カルダーの3人に注目してきました。3人3様のところがアメリカらしくていいと思っています。その中でも自分はニーベルソンに近い作品を作っていると自負しています。       Yutaka Aihara.com

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