「ゴス」展・横浜美術館

正月休みを利用して、横浜美術館で開催中の「GOTH ゴス」展を見てきました。原宿や秋葉原でよく見かける「ゴス」ファッション。ロリータ系のものから死神をイメージしたものまであるのは知っていましたが、内外のアーテイストによる「ゴス」作品はいかがなものか興味津々でした。見応えは充分ありました。死や病、退廃したものを露骨に表現する「ゴス」は、美術館の説明パネルによるとヨーロッパのゴシック様式に語源があるようで、暗黒的な要素をもったものです。確かに腐敗したモノや身体を抉り出して見せる表現は、健全で建設的な思考の一方で、ちょっと覗いてみたくなる生理的な面をもっていると思います。そんな作品に接していると「いのち」とは何かという根源的な問いかけがあるようにも思います。美術館として、この企画はなかなか勇気のいるものではなかったかと察します。でも現在(現代ではなく)を切り取って示すことは大切なことだと考えます。昨年の森村泰昌展といい、今年のこの企画展といい、とても刺激的な企画が続いています。自分の住んでいる地元の美術館が頑張っていると感じた一日でした。     Yutaka Aihara.com

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