E.ノルデの宗教画

ドイツ表現主義と言えばエミール・ノルデを語らないわけにはいきません。ノルデも昨日や一昨日ブログに書いたバルラッハやキルヒナーと同様、自分が滞欧生活中に知り得た画家です。ノルデは重くて鮮やかな色彩がイメージされる画家です。重くて鮮やかというのは純色に近い色を使っていながら純色ではなく、配色によって鮮やかさが際立っているように見えるから、そんな言い回しをしました。強烈な色彩によって象徴的な画面を作っているのがノルデの特徴です。ノルデはキリスト教をテーマにしていて、当時の斬新な抽象傾向やそれに近い流行とは縁のない人だったようです。でもその表現するものは原初的で根源的な生きる力を秘めています。宗教画として訴えるものが強く存在感を感じます。                     Yutaka Aihara.com

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