コルヴィッツと表現主義

以前ブログに書いたことがあるK・コルヴィッツに関して興味ある論文を見つけました。「表現主義の女流画家」(三木順子著)にコルヴィッツと表現主義の関わりがあります。コルヴィッツは表現主義の画家たちより一回り上の世代に属し、政治色の強いテーマで作品を作っていると述べられています。「伝統的な陰影法でモデリングされた筋肉の隆起のヴォリュームと力量感は、慟哭する母親の感情を語る身体言語となって〜略〜苦悩と葛藤を無気味に生々しく浮き立たせる。」の一文は、自分が学生時代にコルヴィッツの版画から大いなる影響を受けたところです。塑造による彫刻を学び、内面的な感情表現をドイツ表現主義から吸収していた自分は、コルヴィッツに影響されたのは当然のことだったのかもしれないと述懐しています。     Yutaka Aihara.com

関連する投稿

  • 「中空の彫刻」を読み始める 「中空の彫刻」(廣田治子著 […]
  • 週末 過密な鑑賞スケジュール やっと週末を迎えました。年度末が近づきウィークディの仕事が少しずつ多忙になってくると、週末が楽しみでなりません。今月に入って美術展に行っていないので、今日は行きたい展覧会をチェックして、丸一日かけて […]
  • 「モディリアーニ」第8章のまとめ 「モディリアーニ 夢を守りつづけたボヘミアン」(ジューン・ローズ著 宮下規久朗・橋本啓子訳 […]
  • 夏気分を惜しみながら… 今日で8月が終わります。月が変わることに郷愁を感じるのは夏の特徴かもしれません。開放感あふれる夏だからこそ流行り歌にもなり、移ろう夏気分を惜しむ情景になるのだと感じます。今月の創作活動を省みると、と […]
  • 「幻想絶佳 アールデコと古典主義」展 今日で終了した展覧会を取り上げて恐縮ですが、先日、東京目黒にある東京都庭園美術館の「幻想絶佳 […]

Comments are closed.