落款 彫りと押印

夏からやり始めていた落款が完成しました。彫刻の新作を作るたび、新しい印を彫ります。自分の作品は集合体で見せるため、パーツひとつひとつに番号をつけて組み立てるのです。パーツ(ユニット)が完成したら、和紙に落款を押して番号を書き込んでいくのです。和紙は作品の目立たないところに貼っていきます。和紙に押印した落款はいわばサインの代わりです。パーツが増えていくと、旧作と新作の間に混乱が生じるので、落款のデザインで見分けられるようにしてあります。今回の落款は大きさでは今までにない巨大なサイズです。通常の朱肉や印泥ではサイズが合いません。字のカタチは昨年まで試みていた抽象化された名前ではなく、篆書体を使って名前を彫りました。それでも豊かな構成をもった落款ができました。彫りあがった柱に貼っていこうと思っています。作品の本流とは違った楽しみ方をしています。Yutaka Aihara.com 

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