「コンポジションⅦ」の印象

画家カンデインスキーのまとまった展覧会は2002年の春頃に東京国立近代美術館で開催されています。印象派の展覧会と違って、人ごみの中を観てまわることはなかったと記憶しています。自分が印象に残った作品は油彩による大作の「コンポジションⅦ」。対象は解体され、ほとんど何が描いてあるのか不明でしたが、色彩のハーモニーが美しく、色彩と渦巻くフォルムが圧倒的な迫力をもっていたことが印象的でした。当時購入した図録にはカンデインスキーの言葉が掲載されています。「コンポジションという言葉を耳にすると、私は心中大いに衝撃を受けて、後には[コンポジション]を描くことを自分の生涯の目的としたのである。」この言葉からわかるようにこの「コンポジションⅦ」は何が描いてあるのかという対象は問題ではなく、構成そのものを表現しているので、感覚をダイレクトに受け入れるべきと考えます。抽象絵画の鑑賞はまずそんなところから始めるのがいいと思います。

関連する投稿

  • 甲斐生楠音「横櫛」について 先日、見に行った東京国立近代美術館の「あやしい絵展」では、日本美術史に大きく取上げられている有名な画家がいる一方で、マニアックな画家も多く、私が思わず足を止めた作品を描き上げた画家も、私には名に覚え […]
  • 暁斎流の「鳥獣戯画」について 先日、閉幕してしまった「河鍋暁斎の底力」展で、私が気になった数多くの下絵の中から、展覧会のポスターにもなっている作品を取り上げます。ポスターは「鳥獣戯画 猫又と狸 […]
  • 東京竹橋の「あやしい絵展」 先日、東京竹橋にある東京国立近代美術館で開催されている「あやしい絵展」に家内と行ってきました。ウィークディにも関わらず鑑賞者が多く、コロナ渦の影響もあってネットでチケットを申し込む方法は定着したよう […]
  • 美術館を巡った日 今日は用事があって職場から年休をいただきました。用事はすぐ終わってしまい、残りの時間を横浜や東京の美術館巡りに充てました。ウィークディに展覧会を見に行く機会がなかなかなかったので、今日はラッキーな一 […]
  • 虎ノ門の「近代日本画の華」展 東京港区虎ノ門にある大倉集古館へこの歳になって初めて足を踏み入れました。若い頃から美術館巡りをしているにも関わらず、大倉集古館には行かなかったのが不思議なくらいです。調べてみると大倉集古館は日本で最 […]

Comments are closed.