建築現場からのイメージ

10月に入って、365点の連作は黒い骨格が連なる構造体を描くようになりました。これは建築現場で見た鉄骨がむき出しになった高層ビルをイメージしたものです。建築はアートとして表現したものではなく、構造上の必要があって構成されるものばかりで、いわば実用です。そうしたところに美的な空間を発見することがあります。工事の途中に思わぬ美しさがあって、完成された部分とこれから作り上げられていく部分が不思議なハーモニーを醸し出している場面があります。出来上がった高層ビルはシンプルな美しさがあって大変気持ちのよいものですが、カタチは自己完結しているので退屈さも存在します。そこへいくと完成されない途中の美は大きな広がりを見ることができます。それは建築としては何の意味もない単なる工事の過程にすぎませんが、視点を変えると面白いアートとして楽しめると思っています。 Yutaka Aihara.com

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