丸鑿の刃こぼれ

木彫技能に関して師匠を持たない自分は、初歩的なミスをしてしまうことが多々あります。いつも鑿は研いでから作業に入るのですが、今日は気が急いていたせいか、うっかり鑿を砥石にあてることもなく彫り始めて、しばらくしたところで刃こぼれを起こしてしまいました。鑿の当て方にもよるのですが、よく研がれた刃は刃こぼれすることが少ないように思います。作業を中断し、電動砥石で刃先を削り、またせっせと研いでから作業再開。道具の扱いには充分注意をしなくてはならないと肝に銘じました。昨年の作品から鑿跡を残すようにしています。カタチの方向性を表す意味で鑿跡が大切な造形要素となり、ざっくりした感じにまとめたいと思っているのです。幅の広い丸鑿を使っているのも鑿跡をしっかり残すためにやっているのです。   Yutaka Aihara.com

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