「点・線・面」より基礎平面について

カンデインスキー著「点・線・面」も残すところ「面」だけになりました。著作の中では「基礎平面」として取り上げています。「基礎平面とは、作品の内容を受け入れるべき、物質的平面のことである」と初めに理があって、平面のもつ視覚的効果、たとえば縦線と横線の関係による心理的な影響や平面上に描かれた図像が与える緊張などにも触れています。「基礎平面の内面的緊張が、基礎平面の形態が複雑なものについてもそのまま存続し妥当するように、平面固有のこの緊張は、平面が非物質化されるとともに、定義しがたい空間に感染してゆく。法則は、その効力を失うことはない。」と結ばれています。このブログに時折書いてきた「点・線・面」がこれで終わっていますが、原書をほぼ完全な状態で訳しているようで、今ではあまり使われない表現があって、読み解くのにかなり労力を使いました。むしろ「あとがき」に楽しい文章があったので、それはまた後日紹介したいと思います。

関連する投稿

  • 「中空の彫刻」読後感 「中空の彫刻」(廣田治子著 […]
  • 「《逸楽の家》」について 「中空の彫刻」(廣田治子著 三元社)の「第二部 ゴーギャンの立体作品」の中の「第6章 タヒチからマルケーサスへ(1895~1903年)」の「3 […]
  • 「結語」について 「中空の彫刻」(廣田治子著 三元社)の「第二部 ゴーギャンの立体作品」の中の「結語」の「1 木彫と陶器」「2 親密な環境における彫刻」「3 […]
  • 「状況-思考の神秘的内部を表すこと」について 「中空の彫刻」(廣田治子著 三元社)の「第二部 ゴーギャンの立体作品」の中の「第6章 タヒチからマルケーサスへ(1895~1903年)」の「1 […]
  • 「文化的総合」について 「中空の彫刻」(廣田治子著 三元社)の「第二部 ゴーギャンの立体作品」の中の「第6章 タヒチからマルケーサスへ(1895~1903年)」の「2 […]

Comments are closed.