谷内六郎の郷愁世界

昨日行った横須賀美術館には谷内六郎館があって、「週間新潮」の表紙になった絵をまとめて見ることができます。この日は自分の教え子で仕事の同僚になった人が一緒でした。彼女は谷内六郎の世界が大変気に入って、「カワイイ」を連発していました。20代の彼女は同世代の人たちより語彙が豊富で、普段「カワイイ」を使わない人です。でも谷内六郎の世界は思わずカワイイと言ってしまう要素があります。谷内六郎は素朴派の一人で、シュールリアリズムの画家と言っても差し支えないと思います。日本のひと昔前の風景に子どもがいて、その子の視点やイメージで、たとえば電線にとまっている鳥の群れが音符になったり、雨粒やかまどの中に風景があったりします。自分もこんなことを子どもの頃に思い描いたことがあったと思わず郷愁に浸り、そのカワイイ発想を楽しんでしまいます。老若男女全ての人に解りやすくシュールレアリズムの世界を提供していると言っても過言ではありません。

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