カンデインスキー「点・線・面」

今夏再読しようと思っている本にカンデインスキーの著した「点・線・面」があります。再読とはいっても30年前に購入したものの数頁読んで放り投げてしまったものなので、今回新しく読むといった方がよいと思います。当時20歳になったばかりの自分は大学の彫刻科に籍をおき、昼間は粘土で具象彫刻を作り、夜は「ドイツ表現主義」の作家から影響された木版画を作る毎日でした。「ドイツ表現主義」から「バウハウス」に関心が移る中でカンデインスキーを知り、「点・線・面」を読み始めましたが、具象彫刻を作ることにほとんどの時間を費やしていた自分は、「点・線・面」の論理を受け入れられず、本論に入る前に書棚にしまい込んでしまったのでした。自分に「抽象衝動」が起こるのには、もう少し時間が必要でした。あれから30年。黄ばんだ表紙の埃を払って、遅ればせながら「点・線・面」を読むことにしました。前時代では新しかった考え方が現在ではどうなのか、興味が湧くところです。

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