映画「白バラの祈り」

表題の映画のDVDを借りてきました。原作の「白バラは散らず」は30年も前に読んでいて、原作を傍らに置きながらDVDを見ました。ショル兄弟がミュンヘンの大学で「白バラ通信」を撒いて、ゲシュタポに逮捕されるところから始まり、尋問、裁判、処刑にいたるまでの過程を坦々と描いています。いわば密室で繰り広げられる心理劇です。ゾフィー・ショルを演じた女優が秀逸で、思わず引き込まれてしまいました。崩れそうな気持ちを精一杯張りつめて冷静に対処するゾフィー。強く自由を望む信念。相対する裁判官の方が空回りの一人芝居になってしまう滑稽さ。言わんとすることをわかりやすく畳みかける映像はなかなか見事でした。渋い色調の中で、ゾフィーの赤いセーターが印象的で、信念を曲げないゾフィーの胸中を表しているようでした。

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