白バラは散らず

少し前の新聞で最近のドイツ映画を取り上げ、ナチズムに対する実像を映像によって捉えるクオリテイの高い表現が出てきたと伝えていました。そこに「白バラの祈り」という新作映画の解説が載り、まてよ、これはひょっとして、と本棚に目をやり、30年前に読んだ「白バラは散らず」という小さい本を再び取り出しました。この本をどうして知ったかといえば、当時デザイン科の先生がドイツにあるウルム造形大学の話をしていて、この海外の大学の関係者が「白バラ」に関わっていたと何気なく言った一言でした。本を読んで知ったことは「白バラは散らず」の著者がウルム造形大学教授の奥さんで、その人の兄弟がナチズムに異を唱えて処刑されたショル兄弟だったのです。物語はウルム造形大学とは直接関わりがないにしろ、この戦争中の事実を20歳になったばかりの自分が読んで、かなり衝撃を受けたことを思い出しました。日本にもドイツと同じ過ちを犯した過去があります。日本の映画も日本軍の侵略を事実に基づいて描くことが今後できるのでしょうか。そんな問いかけをしてみたくなるノンフィクション・ストーリーです。

関連する投稿

  • 平塚の「柳原義達展」 コロナ渦の影響で、最近は展覧会が閉幕するまで行こうかどうしようか迷っている傾向があり、また急遽思い立って展覧会に出かけるため、僅かな日程を残した状態でNOTE(ブログ)にアップすることが少なくありま […]
  • 「自己の探究1」について  「中空の彫刻」(廣田治子著 三元社)の「第二部 ゴーギャンの立体作品」の中の「第4章 陶製彫刻と木彫浮彫(1889年と1890年)」の「2 […]
  • 「自己の探究2」について 「中空の彫刻」(廣田治子著 三元社)の「第二部 ゴーギャンの立体作品」の中の「第4章 陶製彫刻と木彫浮彫(1889年と1890年)」の「3 […]
  • 「状況-ファン・ゴッホとの関わり」について フランス人の芸術家ゴーギャンの生涯の中で、劇的とも言える一幕があり、そのドラマティックな事件がゴーギャンを美術史とは関係なく、世界的に有名にしたと言ってもよいと思っています。それはオランダ人の画家フ […]
  • 次のステップに向かう6月 6月になりました。そろそろ入梅が発表されてもおかしくない季節です。6月も今まで同様、工房に勤務時間があるが如く決まった時間に通う予定です。今月やらなければならないことは個展の出品作品の修整補填で、厚 […]

Comments are closed.