「ラ・ボエーム」の時代

プッチーニの作曲したオペラに「ラ・ボエーム」があります。イタリア歌劇の中ではよく演奏されるオペラのひとつです。今日職場でひょんなことからオペラの話になり、このリリシズムあふれる「ラ・ボエーム」を聴いた思い出を語ってしまいました。フレーニ、パパロッテイという当時最も人気のあった歌手が出演し、クライバーというこれまた実力のある指揮者が振った「ラ・ボエーム」。20数年前にウィーン歌劇場の立見席で、観客のすし詰め状態の中に私がいました。伸びやかで優美、たおやかな余韻を残すアリアが終わると拍手喝采が延々と続きました。オペラは寂しい生活を送っていた自分に内面の豊かさをもたらせてくれました。オペラが終わって外に出ても、「ラ・ボエーム」に登場したパリに見まがうようなウィーンの街が目の前に広がっていて、おまけに自分は画学生でした。「ラ・ボエーム」の時代に生きているような錯覚さえ持ってしまいました。

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