クノッソス神殿の奇妙な柱

昨年は柱を彫刻の要素として、ひたすら作りました。柱に興味を抱いたのはヘレニズム文化の影響かもしれません。そのヘレニズムより古い時代に作られたクノッソス神殿。小さなクレタ島にあるというだけで神秘性を持っています。極めつけは上にいくほど太くなる柱。不思議な造形に魅かれました。スポーツをしているような人々の壁画から平和な時代が見て取れました。その神殿の前で、テラコッタでできた一対の飾り面を買いました。ギリシャ悲劇と喜劇の仮面。焼きが甘いのか、ともすれば壊れそうな仮面でした。郵送などできず、トルコの絨毯と一緒にリュックサックにつめて、旅の友になりました。ウィーン生活で使った衣類を徐々に捨て、その代わり風変わりな土産が増えていきました。クレタ島到着時に吹き荒れた嵐が去り、それでもなお湿った風が頬を撫でていましたが、ロードス島に渡る決心をして、クノッソス神殿の奇妙な柱に別れを告げました。

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