嵐のクレタ島

1985年に旅したトルコ・ギリシャ。4月の個展が近づくにつれ、展示する作品の多くがこの旅でイメージを培われたことを思うと感慨一入です。2ヶ月以上に及んで滞在したトルコを後にして、ギリシャのクレタ島に向かったのは10月に差し掛かっていました。エーゲ海というのはいつも青い空と青い海が広がっているところというイメージをもっていましたが、さにあらず。この日は荒天で、まるで北斎の浮世絵のような荒れ狂う波に、笹舟の如く頼りない舟は自然の成り行きまかせになり、さんざんいたぶられた挙句に、やっとクレタ島に漂着したのでした。もちろんクレタ島も嵐吹くフォービズム絵画のような風景が目前に広がり、観光ポスターとは正反対の印象をもってしまいました。ただ、ギリシャに渡った瞬間に、芳しい豚肉や鶏肉の焼いた匂いがして、トルコの羊肉に辟易していた胃腸にはたまらない魅力でした。

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