黒海を臨むキリスト教寺院

黒海沿岸のトラブゾンに到着したのはトルコに来て2ヶ月を過ぎていました。ここで印象深かったのは焼き魚でした。イスタンブール同様に港で魚を焼いていて、その一匹をタダで頂きました。よほど金銭がない旅行者に見えたのでしょうか。実際ウィーン生活で貯め込んだ衣類は汚れれば捨てて身を軽くしていましたし、外見はかなり貧相になっていました。焼き魚は食事ホームシックになるくらい飢えていた食物のひとつだったので、美味しく食べました。そこで黒海沿岸の町ですが、今まで旅してきた町と様子が異なり、やや西洋風な雰囲気がありました。それはビサンチン時代のキリスト教寺院があったからです。ただアヤソフィヤは教会ではなく博物館になっていましたが、内壁のフレスコ画を見るとトルコにいることを忘れてしまうほどでした。ずっとモスクを見てきた目には新鮮でした。そろそろヨーロッパに戻ろうかと、自分はアジア人なのに不思議な感覚に襲われたものでした。

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