カッパドキア奇岩群

カッパドキアを知ったのは学生時代に神田の古本屋街で立ち読みした古い美術雑誌に掲載されていた白黒写真からでした。地球上のものとは思えない不思議な世界に驚いて、思わずその古本を買ってしまったのでした。そのカッパドキアに1985年に行きました。まさか自分が写真で見た不思議な空間にいるとは信じられないくらいでした。トルコの中央アナトリアに位置していて、奇岩群にキリスト教徒が住み着いた場所があり、その人的に開けられた窓や扉がアートな空間を作っていました。ともかくカッパドキアという傑作な地名と独特な景観に身も心もすべて取り込まれ、現実とは思えない空間に酔ってしまいました。夢うつつな時間が流れ、近くに宿を取り、日暮れていく幻想空間にまた酔っているうちに、景観の精粋が心身にしみ込んで、ようやく次の場所に移動しようという気がおきてきました。ここで食べた奇岩のカタチをしたスイーツの強烈な甘さを舌に残しつつ、カッパドキアを後にしました。

関連する投稿

  • 黒海を臨むキリスト教寺院 黒海沿岸のトラブゾンに到着したのはトルコに来て2ヶ月を過ぎていました。ここで印象深かったのは焼き魚でした。イスタンブール同様に港で魚を焼いていて、その一匹をタダで頂きました。よほど金銭がない旅行者に […]
  • ネムルト山登頂記 トルコの東アナトリアに位置する標高2150Mのネムルト山頂に遺跡があると聞いて、現地でミニバスツアーに参加しました。私たち夫婦の他に西欧から来た数人の旅行者がいました。小さなバスで山頂を目指し、やが […]
  • ハマム体験記 トルコで一度は行ってみたいと思っていたのが、公衆浴場(ハマム)でした。カッパドキア観光のついでに寄ったユルギュップという小さな町で、このハマムを体験しました。公衆浴場と言っても日本の浴場とは異なり、 […]
  • 2つの地下都市 トルコの地下都市を訪ねたのは20年以上も前のことなので、記憶が徐々に風化しています。訪ねた地下都市の名称はカイマクルとデリンクユでした。どちらがどうだったか忘れてしまいましたが、蟻の巣のように地下へ […]
  • 若かりし頃の貧乏旅行 「保田龍門・保田春彦 […]

Comments are closed.