鎌倉彫の彫師さん
2007年 2月 4日 日曜日
大切な友人に鎌倉彫の彫師をやっている安斉文隆さんがいます。自分がウィーンから帰国してまもなく、ドイツ語を忘れないために在日ドイツ人学校(横浜市都築区にあるドイツ学園)の夜間クラスに通っていた時期があります。安斉さんはその時に知り合った人です。安斉さんは鎌倉彫の技術を伝えに、またドイツの木彫技術を学びに行く目的でドイツ語を学んでいたのでした。それを度々実現させ、多くの写真をもって私のところに現れました。鎌倉の山水堂で1級技能士として仕事をしている安斉さんですが、彫りへの思い入れが強く、また技術には目を見張るものがあります。今日は横浜のグループ展に来ていただいたので、鑿の研ぎ方や扱い方を伝授していただきました。自分の作品は安斉さんのように緻密さも流麗さもない粗雑なものですが、自分の襟を正すためにも、こうした人が自分には必要なのです。ブログをご覧になっている方で、お時間があれば、ぜひ鎌倉駅近くの山水堂にお出かけください。安斉作品の彫りの美しさを堪能してください。
関連する投稿
- E.バルラハ展 ウィーンにいた時、そこの美術館にE.バルラハの刀を振りかざした人体彫刻がありました。最初はK.コルビッツが作ったものだと誤解していました。あまりにもコルビッツの素描や版画と似ていたのです。人物を簡潔 […]
- カール・コーラップの世界 ウィーン幻想派画家やフンデルトワッサーほど国際的な名声を得ていないので、カール・コーラップを日本で知ることはありませんでした。20数年前にウィーンにいた頃、コーラップのタブローや版画を多くの画廊が扱 […]
- 東京竹橋の「あやしい絵展」 先日、東京竹橋にある東京国立近代美術館で開催されている「あやしい絵展」に家内と行ってきました。ウィークディにも関わらず鑑賞者が多く、コロナ渦の影響もあってネットでチケットを申し込む方法は定着したよう […]
- クリムト「ユディトⅠ」について 東京都美術館で開催されている「クリムト展」。先日からこの展覧会に纏わることをNOTE(ブログ)に書いていますが、作品に触れることが少ないなぁと思っています。今日は来日した代表作「ユディトⅠ」について […]
- 「種村李弘の眼 迷宮の美術家たち」展 先日、東京の西高島平にある板橋区立美術館に行き、表記の展覧会を見てきました。故人である種村季弘は、私が滞欧中に親しんだウィーン幻想絵画を取り挙げた文学者で、深層心理に働きかけをするドイツ・オーストリ […]
Tags: ウィーン, 作品, 展覧会, 木彫
The entry '鎌倉彫の彫師さん' was posted
on 2月 4th, 2007
and last modified on 1月 8th, 2010 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.