展覧会雑感

土曜日の横浜市民ギャラリーは大変混雑していて、3階の児童生徒作品展に見に来た親子連れが、ついでに我々のグループ展をのぞいてくれます。例年小さい子どもたちの反応を窺うようになりました。子どもたちは本能に忠実で社交辞令も遠慮もないからです。私の作品は入り口にあって広告塔のような役割をしています。すごいと言って入ってくる子どもたちが多ければ、今回の作品は成功と思っています。難解な評論より、はるかにわかりやすい基準です。美術的なるモノを問う作品というより、まず理屈抜きで楽しく感性に入ってくるモノ。美術っていいなと思えるのは、ここから始まると思うのです。今日は自分の母親と妹の家族がやって来ました。お祝いをいただきました。母親は現代美術のことをよく理解せずに応援してくれます。これが親だと思います。小さな子どもを連れた家族を見ながら、そんなことをぼんやり考えていた一日でした。

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