一気呵成に作れない魅力

作品を凄い集中力をもって一気呵成に作り上げられるならば、それに優るものはないと思っています。後先考えず制作に没頭し、時間を忘れて心底打ち込めば作品は輝きだします。創作行為は精神の産物なので、表現したい意思が強ければ、技巧を超えて訴えるものが表れてきます。そうした常軌を逸した精神世界に触れると、鑑賞する人々の心を動かします。それが感動です。自分の創作行為はどうなのかと言うと、作品のサイズやそれに伴う仕事量からして一気呵成には作れません。ただし長い時間の中で集中力のバイオリズムが生まれ、それでも表現したい意思は揺るぐことはないと思っています。坦々とした仕事量も最終的には完成したら生きてくるものと信じています。長い技巧の蓄積があって、またそれを塗りこんで壊してみたり、作り直してみたりしながら完成へと向かうのです。一気呵成に作れない魅力、つまり紆余曲折しながら一貫した計画を押し通すことができれば、鑑賞に値する作品ができるのだと思っています。

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