陶を素材とする立体作品

フンデルトワッサーや池田満寿夫の陶芸を見ていると、これはもう用途を持つ陶磁器とは異なり、むしろ陶を単なる素材として扱った立体作品と言えます。これは彫刻分野の仕事です。そこに工芸的な要素はありません。日本で初めてこうした作品が生まれたのは、イサムノグチの滞日中に作った即興的な陶芸や八木一夫らの「走泥社」が提唱したオブジェ焼からでしょうか。岡本太郎が自論の中で縄文土器の美的要素を謳ったものも影響しているのでしょうか。藤田昭子の野焼きした古代住居のようなオブジェも注目に値すると思います。自分もこの流れの末席にいて、用途を無視した造形を作り続けているのだと思っています。

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