カフェ・ハベルカ

どこの街にも芸術家や作家が集まったカフェがあります。ウィーンにはカフェ・ハベルカがありました。旧市街のグラーベン通りにあるペスト記念碑の近くの路地にあったように思います。ハウズナーやフックスといったウィーン幻想派の画家がよく集まっていたカフェで、いかにも文化的な雰囲気がありました。古い建物でしたが、個展のポストカードやらポスターが所狭しと貼られていました。自分もそこで「メランジュ」と言われるウインナーコーヒーを注文して悦に入っていました。ウィーンのカフェはどこも綴じ込みの新聞が置かれていました。あのくつろいだ空気は今も忘れられません。

関連する投稿

  • 芸術家宅を訪ねる随想 「瀧口修造全集1」に収められている「ヨーロッパ紀行」の中に、ダリを訪ねた時の随想が載っています。アトリエの中の描写やダリの人柄に、ほんの少しばかり親近感が持てるような気になります。スペインの海辺のア […]
  • 世紀末のアパート 21世紀の現在から言えば、20世紀末も19世紀末も同じ世紀末となります。表題は19世紀末を指しています。ひと昔もふた昔も前のことですが、この時代が情緒として生きている街がウィーンなのです。ウィーンは […]
  • 幻想画家論 ボッス、グリューネウァルト、ピエロ・ディ・コジモ、ラ・トゥール、ルドン、ゴーギャン、アンソール、ムンク、スーティン、クレー、エルンスト、デュシャン…「瀧口修造全集1」に収められている幻想画家論で取り […]
  • 「魔法の国の建築家」を読んで ホルスト・ヤンセンと同じように、カール・コーラップもウィーンで初めて知った画家です。種村季弘著「断片からの世界」にコーラップに関する評論が掲載されていたので、これを契機にコーラップの絵を知った時の昔 […]
  • 青騎士・デア ブラウエ ライター ドイツ表現主義に興味を持ってから、当時住んでいたウィーンで資料集めをしていた時期がありました。「EXPRESSIONISMUS(エキスプレッショニスムス)」と表題にあった書物をいろいろ購入したものの […]

Comments are closed.