武装のイメージ

作業場に教え子が来て、武器を作っているのかと聞かれました。確かに柱の先を尖らせて文様を加えた作品は槍のようにも見え、それらが数本立てかけてある作業場は異様な雰囲気です。いずれ20数本を彫り上げ、組み合わせて囲むカタチを作ろうとしているのですが、以前のブログにも書きましたがパーツをひたすら作る今は黙して語らずです。柱が槍に見えるとすれば武装されたイメージにも捉えられるのでしょう。連日イスラエル軍のレバノン空爆がテレビで伝えられている情勢からすれば、メッセージ性も感じ取れるのかもしれません。自分は社会情勢から作品化を思い立つことはありませんが、数年前にも陶彫で都市を表現して発表した時も、ニューヨークのテロを彷彿させるという感想をいただきました。人が住むところをイメージして作品化するということは、人と人との関わりを描くことになるのでしょう。

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