粗い石

最近読んだ本で「粗い石〜ル・トロネ修道院工事監督の日記〜」があります。石を切り出し、その石を積んで修道院を造り上げるシトー会修道士の記録ですが、坦々とした労働の日々の中に、素材の問題、組織の問題、工期の問題などが描かれていて、自分の制作にも通じる箇所を見つけては楽しんでいました。神に祈りを捧げる場である修道院や教会には、日常とは違う空間があり、人の精神を浄化させる何かがあるように思います。名もなき石工や鍛冶屋や修道士たちが造り、今も残存する数々の神の空間は、現在も人々の懺悔や救済を受け入れているのだと思います。

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