Archives for posts tagged ‘留学’

次なる作品のイメージへ…

現在作っている新作が佳境を迎え、肉体的にも精神的にも苦しい状況の中で、私には次なる作品のイメージが降って湧いてくる癖があるようです。現行の新作は土台に砂マチエールを施し、また同時に土台を追加して制作しているため、工房の至 […]

横浜山下町の「灯りの魔法」展

横浜山下町にある人形の家で「灯りの魔法 魅惑のドールハウス」展が開催されています。家内がその情報を仕入れ、是非見に行きたいと言ってきたので、今日の夕方になって横浜人形の家に行ってきました。家内は美大で空間演出デザインを学 […]

ヴァシリー・カンディンスキーの授業

先日見に行った東京ステーション・ギャラリーで開催中の「きたれ、バウハウス」展では、バウハウスの教壇に立っていたロシア人画家ヴァシリー・カンディンスキーに関する資料が展示されていました。昨日は同じ立場にいたパウル・クレーに […]

7月RECORDは「朱」

今年のRECORDは色彩をテーマにしています。一日1点ずつポストカード大の平面作品をRECORD(記録)と称して作っていますが、一日で作品が完成せず、下書きだけで終わってしまう日が多くあります。下書きには色彩がありません […]

「心の旅人ケルト」について

「呪術としてのデザインー芸術民俗学の旅」(中嶋斉著 彩流社)の第1章の3「心の旅人ケルト」についてまとめを行います。冒頭にウィーンに関する文章があって、20代の頃に5年間をウィーンで過ごした自分には、思いがけない知識が飛 […]

週末 留学について話し合った日

以前、相原工房で染色を基盤にしたアート作品を制作していた子が、久しぶりに顔を出しました。彼女は暫く中国に留学していて、そこの大学で染めのワークショップをやったり、自らの作品を作って発表していたのでした。海外で暮らして得た […]

草月プラザの「天国」

「イサム・ノグチ 庭の芸術への旅」(新見隆著 武蔵野美術大学出版局)の中に、草月プラザに設置された場の彫刻とも言うべき「天国」の解説がありました。「青山、草月会館のロビーのデザインである『天国』は、出発点が、逆にあからさ […]

映画「フジコ・ヘミングの時間」雑感

横浜のミニシアターにはレイトショーがあって、仕事帰りに立ち寄れる時間のため、映画を容易に楽しめることが出来るので重宝しています。独特な音楽観を持つピアニストのフジコ・ヘミングは、以前テレビで紹介されていて興味がありました […]

3月RECORDは「囲」

西欧を初めとする都市形成の歴史には、城壁によって他国の侵入を防いだことがあり、その囲まれた空間の中で人々は暮らしていました。都市の近代化にともなって古い壁を壊し、そこに道路を整備したため、旧市街と新市街が明快に分かれてい […]

映画「日曜日の散歩者」雑感

先日、常連になっている横浜のミニシアターに台湾映画「日曜日の散歩者」を観に行ってきました。1930年代から戦後に至る文学界の動向の中で、西洋のモダニズムが席巻した時期があり、台湾から日本に留学した一部のエリートの中に、そ […]

ウイーン回想から始まる1年

昨夜、NHK番組からウィンナーワルツが流れてきました。恒例のオーストリア国営放送局が衛星で流している「ウイーン・ニューイヤーコンサート」の模様です。自分は毎年この時期にこの番組をブログで取り上げています。理由は1980年 […]

聖夜の思い出

自宅から比較的近い場所に職場があるため、通勤で繁華街を通ることがなく、クリスマスのイルミネーションを今年はついに見ずに、クリスマスが過ぎていきます。本来は主イエスの誕生した日を祝う宗教行事なので、樅の木に飾った電飾を愛で […]

座間市での研修会

今日、神奈川県公務員の管理職研修がありました。横浜から座間に出向き、終日職場を離れて研修に参加させていただきました。午前中は講演会がありましたが、職場とはまるで関係ないと思われた講演が、大きな視野で捉えれば、決して無関係 […]

P・クレーに纏わること

愛読している「瀧口修造全集1」の中に、パウル・クレーに纏わることが出てきます。瀧口修造がパウル・クレーのご子息に会いに行き、そこで出会った様々なことが述べられていて、それらをとつおいつ読んでいるとその情景が広がります。自 […]

芸術家宅を訪ねる随想

「瀧口修造全集1」に収められている「ヨーロッパ紀行」の中に、ダリを訪ねた時の随想が載っています。アトリエの中の描写やダリの人柄に、ほんの少しばかり親近感が持てるような気になります。スペインの海辺のアトリエは理想的な環境だ […]

幻想画家論

ボッス、グリューネウァルト、ピエロ・ディ・コジモ、ラ・トゥール、ルドン、ゴーギャン、アンソール、ムンク、スーティン、クレー、エルンスト、デュシャン…「瀧口修造全集1」に収められている幻想画家論で取り上げている芸術家です。 […]

「パウル・クレー 東洋への夢」

表題の展覧会は、静岡県立美術館で開催されているもので、知人からチケットをいただいたので行ってきました。クレーはたびたびブログに書いている画家で、この巨匠に関する興味はずっと尽きません。自分は20代前半で初めてミュンヘンに […]

世紀末のアパート

21世紀の現在から言えば、20世紀末も19世紀末も同じ世紀末となります。表題は19世紀末を指しています。ひと昔もふた昔も前のことですが、この時代が情緒として生きている街がウィーンなのです。ウィーンは1980年から5年間自 […]

「石」という素材

オーストリアのウィーンで暮らし始めた頃、生活費を稼ぐため石彫のアルバイトをしていました。ハンス・ムーアという彫刻家がウィーン郊外に工房を持っていて、彼のデッサンをもとに鏨や電動カッターで石を切り出す仕事でした。ハンス・ム […]

「木」という素材

祖父が宮大工、父が造園業という環境で育った自分の周囲には木材が豊富にありました。でも木の美しさに触れたのは自分の生育歴からではなく、滞欧中に訪れたルーマニアのマラムレシュ地方に点在する木の家々を見た時でした。柱の抽象的な […]

ウィーンの映像が流れて…

ウィーンの映像が流れていました。今晩のNHK「新日曜美術館」で取り上げていたウィーンが美の都たる所以。ハプスブルグ家が収集した多様な美術品。自分は1980年から85年の5年間をウィーンで暮らしていたので懐かしさと共にウィ […]

ドイツ映画「メトロポリス」

フリッツ・ラング監督の残した近未来映画で、現在でもレンタルビデオショップにあります。昨日のブログに書いた「カリガリ博士の箱」と同じドイツ表現主義を代表する映像作品です。20数年前に滞在したウィーンの映画館で初めて「メトロ […]

ドイツ映画「カリガリ博士の箱」

20数年前オーストリア滞在中に見た映画に「Das Kabinet des Dr.Caligari」(和訳:カリガリ博士の箱)があります。ドイツ表現主義の有名な映画で、渡欧前から見たかった映画のひとつでした。当時ウィーンの […]

Stollenの美味しさ実感

昨年のブログに「嗜好品ないものねだり」(06.8.5)という文章があります。海外から帰ってきた当時から、海外で食べていたものが懐かしくなり、それを求めている話です。その中でStollen(シュトレン)のことを書いています […]

動物画による表現主義

ロシア人画家カンデインスキーについては度々ブログに書いてきました。当時進歩的だった刊行物「青騎士」についても触れたことがあります。「青騎士」の翻訳が出版され、さっそく読んで感想を述べたこともあります。(07.7.25)と […]

異文化がもたらすもの

クレーのチュニジア旅行のことをブログに書いていたら、自分の過去を再び思い出してしまいました。このブログに何度となく書いているウィーン滞在のことです。1980年から5年間暮らしたヨーロッパの古都は、今の自分の感性や思考を形 […]

キルヒナーの肖像木版画

手許にE・W・コンフェールド著「エルンスト・ルードヴィッヒ・キルヒナー」という分厚い画集があります。DAVOSというところから出版されています。滞欧中にキルヒナーの風景を刻んだ木版画を見て感銘を受けたので、その当時この画 […]

「麻田浩展」で感じたこと

京都の話題が続きますが、京都国立近代美術館で開催されている「麻田浩展」を先日見てきました。この細密な幻想絵画をどこかで見た記憶があります。大きな展覧会だったかもしれません。没後10年と副題にあったのが驚きでした。そんなこ […]

青騎士・デア ブラウエ ライター

ドイツ表現主義に興味を持ってから、当時住んでいたウィーンで資料集めをしていた時期がありました。「EXPRESSIONISMUS(エキスプレッショニスムス)」と表題にあった書物をいろいろ購入したものの原書で読む労苦に耐えら […]

「ドイツ表現主義の誕生」から

20数年前にドイツやオーストリアで生活し、表現主義の枠に括られる多くの画家や音楽家の遺産をこの目で見ておきながら、表現主義の何たるかを知らず、キルヒナーやノルデの絵画世界がもつ漠然としたイメージだけで表現主義が解っている […]

「魔法の国の建築家」を読んで

ホルスト・ヤンセンと同じように、カール・コーラップもウィーンで初めて知った画家です。種村季弘著「断片からの世界」にコーラップに関する評論が掲載されていたので、これを契機にコーラップの絵を知った時の昔の思い出を昨日のブログ […]