代休 牛歩のような制作

今日は日曜出勤の代休でしたが、昨日の大きなイベントの疲れが出て、なかなか工房に行く気が起こらず、それでも朝9時には工房で土練りを始めました。少し作業をしては休憩を取り、また作業をする繰り返しで、牛歩のようなゆっくりした制作になりました。今日は5時間ほど工房にいましたが、いつものように制作が捗らず、ぐったりしていました。いろいろな彫刻の素材の中で、粘土は私にとって快い素材で、土練りをしていると心が落ち着いてきます。どんなに疲れていても土に触れていると精神的な安定が得られます。それは彫刻に限ったことではなく、若い頃亡父の手伝いをして造園をやっていた時も、植樹のために穴彫り作業をよくしていましたが、それは苦痛ではありませんでした。誰もが嫌う肉体作業でしたが、私は平気でした。土に触れるということが私と相性が合うのかもしれません。ゆったりした作業の中で、若い頃に見た地中海の大地を思い出していました。そこに風化した石材で出来た遺跡の数々がありました。私の作品イメージの原点がそこにありました。忘れかけていた風景が甦り、それを象徴化することで「発掘シリーズ」が始まったのでした。そろそろ新作にタイトルをつけなければならず、記憶の彼方から甦った風景と現状の作品を見比べながら、タイトルをあれこれ考えました。制作工程を先へ先へと進める日もあれば、今日のような牛歩の制作日があってもいいかなぁと思い、こんな日は立ち止まって、もう一度原点を探る時間を持とうと思いました。嘗てそこで営まれていた古代の生活や建造物を、歴史の事実を解明することではなく、現代の眼を通すことで完全に美的価値として捉え、彫刻に再生すること、これが私の作品と言えます。だから「発掘シリーズ」に学術的根拠はありません。創造的なイメージがあるだけです。あらゆるものから自由に解放されているからこそ芸術なんだと思っている節が、私にはあります。今日はぼんやりした中で、暫し立ち止まり、こんなことを考えていました。 

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