制作&葉山の美術館へ

昨日に引き続き、今日も昨日と同じようなスケジュールの一日になりました。朝から工房で陶彫制作をやっていました。冬季休業の制作目標である陶彫部品8個の完成は、あと2個になり、今年中に達成できる見込みになりました。来年早々は根の部分の陶彫に取り掛かろうと思っています。根の陶彫部品は15個程度必要になります。いよいよ大きな新作の全体構成を考慮しながら制作を進める時期がやってきました。余裕があると認識しているにも関わらず、自分を急きたてるような気分は一体何でしょうか。制作を焦っているわけではありませんが、自分の思考が少しずつ鋭くなっていくのが分かります。これはプラス思考だろうと思っています。まだ根の陶彫部分が出来ていないので、新作にどっしりとした存在感がありませんが、当初のイメージに近づきつつある予感を感じているのです。工房内の温度は零下にはならないまでも相当な寒さで、日本全体に寒波が襲ってきていることを感じさせます。水を扱う陶彫は掌がガサガサになってしまうため、毎日ハンドクリームを塗って対処しています。それでもこうした制作できる空間を持っていることに幸せを感じる毎日です。工房での制作は午後1時で切り上げ、昼食を取ってから家内と美術館に車で出かけました。今日訪れたのは神奈川県立近代美術館葉山館で、横浜横須賀道路を南下し、海沿いの道を走りました。同館で開催していたのは「堀内正和展」でした。タイトルに「おもしろ楽しい心と形」とあって、日本の抽象彫刻の先駆者である堀内正和の作品を幾つかのテーマに分けて展示していました。彫刻家堀内正和氏に生前一度だけお会いしたことがありました。私のような学生と話をすることはありませんでしたが、飄々として和やかな雰囲気に包まれていて、あぁこの人が抽象彫刻の草分けの人なんだなぁと思いました。私は堀内正和ワールドには学生時代から度々触れていて、とりわけ堀内氏の書かれた文章にハッとさせられることが多くありました。力みのない平易な文章でカタチの本質を言い当てていることに、自分の彫刻に対する気負いが解されて、何度も精神的な部分で助けられました。今回の展覧会でも、堀内氏の文章が案内役となっていたので、本当に「おもしろ楽しい心と形」である彫刻を楽しめました。その中で私が目が放せなかったのがアトリエからそのまま持ってきたようなペーパースカルプチャーの数々で、そのコーナーは造形思考の痕跡が詰まっていました。詳しい感想は後日改めます。美術館巡りは本展をもって今年最後となりました。

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