造形に纏わる雑感

高校時代、工業デザインを学ぼうとしていた私は、大学では彫刻を学ぶことになり、そこで出会った師匠に刺激を受けて、今まで40年以上も彫刻に関わり続けています。日常生活の質の向上を目指すデザインに比べると、社会的ニーズのない造形をよくもここまでやってきたなぁと思っています。逆に二足の草鞋生活として関わっているウィークディの仕事は、社会貢献度としては抜群の職種で、これがあるから自分の存在意義を感じていると言っても過言ではありません。現在、公務員としては社会的責任を伴う役職にいるので、ニーズのない造形とは主従の関係になりそうですが、私の中ではどちらも同等な存在感があります。ではなぜ彫刻、いや造形全般に対して私が拘りをもって奮闘しているのか、これは自己探求にもなりますが、自分なりにずっと考えていることで、明確な理由は今もって掴めていません。分かっていることは、現在やっている陶彫部品を組み合わせた集合彫刻が面白くて仕方がないということです。誰にも非日常的なイメージを抱く場面があるのではないか、こんなふうに出来たらいいなぁという朧げな想像を、想像のままに終わらせないで、具現化してしまうことが自分を造形に掻き立てている動機です。もうひとつは私の資質になりますが、ひとつのことをブレずに追求する信仰心のような姿勢があります。神の存在を信じていれば、造形は神に捧げる明快な理由づけが可能です。私は何に対して信仰しているのか分かりませんが、40年以上も継続する何かがあると感じています。創作に対する理由が欲しくて、偉人たちが構築した哲学に挑んでいると言っても差し支えありません。これも自己探求のひとつです。理由なんか要らない、やりたいことをやるだけ、と思っていたのは造形のスタートラインに立っていた頃だったと述懐しています。60歳を超えてなお旺盛に創作に挑むことは、自分なりの造形に対する根拠が必要です。自分は何者か、今後も自分に問いかけていくのだろうと思います。

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