HPのGalleryに「発掘~表層~」アップ

この度、ホームページのGalleryにアップさせていただいた「発掘~表層~」は、当初彫刻的な発想はなく、絵画として制作しようと考えていた作品でした。途中から床置きの彫刻に切り替えたのには理由があります。その頃、自分の中で空間とはどのようなものか、立体が存在する現象を根本から思索していた時期がありました。「発掘~表層~」は2016年に発表した作品でしたが、2014年にハイデガーの「存在と時間」を読んでいて、私には曲がりなりにもモノの存在を問うスタンスが出来ていました。私は「見えているものは全て表層である」と考え、それを知覚した上で、人はモノの成り立ちを考察し、その裏側を予想して、全てのモノを立体として解釈しているという意見を持つに至りました。甚だ雑駁ですが、表層は即ち平面という短絡的な結びつきで、私は絵画を制作していこうと決めていました。それは美術史に於ける写実絵画とは異なり、陰影を伴う立体感を求めず、モノの表層を表現したいと思っていたため、発想途中で方向転換を迫られることになりました。リアルな空間やら存在という発想自体が絵画性とは相入れないものであったことに気づき、結局限りなく平面に近づく彫刻に落ち着いたのでした。「発掘~表層~」はそんな背景を持つ作品です。私のホームページに入るのは左上にある本サイトをクリックしてください。ホームページの扉にGalleryの表示が出てきますので、そこをクリックすれば今回アップした画像を見ることが出来ます。ご高覧くだされば幸いです。

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