「経験の構造」を読み始める

「経験の構造 フッサール現象学の新しい全体像」(貫茂人著 勁草書房)を読み始めました。現象学の存在を知ったのは最近のことで、ハイデガーの大著「存在と時間」を読んでいた時に、登場してきた哲学のひとつが現象学でした。本書の前書きに現象学とは「モノとヒトの隙間に、ひとが思うよりはるかに精緻に分節化された空間があり、活動主体を巻き込む力が働いていることを示す。」とありました。また、「現象学の手法を正しく用いることによって身体やアート、政治などの問題に関して重大な洞察がえられる。」ともありました。この中に出てくるアートという語彙に敏感に反応してしまった私ですが、現象学にアートとの関係性を見取るのは、あながち間違いではなさそうです。私は何の準備もなく、いきなり大著に挑んでしまう悪癖が、若い頃からあり、挫折を繰り返してきました。ニーチェ然り、ハイデガー然り。この歳になると、大著を読んでいる途中で放棄しそうになる前に、平易な解説書を手に取り、そこから気持ちを持ちなおすことにしています。昔のように簡単に玉砕しないぞと思っているからです。それならば初めから手引きのような書籍を読んでみようと思った次第ですが、本書は決して平易ではなく、フッサールの思索を解釈する上で、かなり重厚な論理を展開しているような塩梅です。でも、面白そうです。フッサールの本陣に辿り着く前に、ここから攻めてみるのも良いかもしれません。果たして通勤の友として軽い気持ちで読めるかどうか、微妙なところですが…。

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