2018年版 印章のデザイン

毎年、印用の石材に自分の氏名を彫っています。今年は2点作る予定です。どうして新しい印章を作り続けているのか、私がずっと取り組んでいる陶彫による集合彫刻にその理由があります。今年は7月の個展で発表する集合彫刻は2点あり、その部品一つひとつに押印した和紙を貼っているのです。陶で作った作品にはサインをせず、印章を付けた和紙で作品の証明をしています。多くの部品を集めて構成する集合彫刻なので、印章付きの和紙には番号を書き入れています。番号を順番に合わせていけば、集合彫刻が組み立てられるようにしてあるのです。集合彫刻は部品をばらして別々の箱に入れて保存します。あらゆる陶彫部品を箱詰めして倉庫に保管していますが、作品が新旧混乱しないようにそれぞれ異なる印章をつけているのです。そのため、新作に貼り付ける印章は毎年新しいものを彫る必要があります。今回は新作の「発掘~根景~」と「発掘~角景~」の2点が新たに作る印章なのです。「陶紋」はシリーズとして、続き番号で制作しているので、印章も同じものを使っています。以前から私は印章のデザインはかなり自由にしていて、印章は小さな抽象絵画としてイメージしています。今までも本格的な篆書を彫ることはありませんでした。縛りは自分の氏名があれば充分で、字を崩すことを楽しみながらやっているのです。そろそろ印章を作らなければならない時期がきました。

関連する投稿

  • 「突景」印のデザイン 少し前のNOTE(ブログ)に、「聚景」印のデザインというタイトルで新しい印を彫ったことを書きました。今回は「突景」印のデザインです。「発掘~聚景~」はやや大きめ、「発掘~突景~」は小さめの石材を選ん […]
  • 週末 図録撮影日前の週末 来週末の6月2日(日)が図録撮影日です。その日に工房スタッフを集めているので、何とか6月2日を新作完成のゴールにしたいところです。もちろん完成するはずと踏んでいますが、心配なことは焼成です。とくに追 […]
  • 「発掘~増殖~」焼成終了 「発掘~増殖~」は床を這っていく有機的なカタチを陶彫で表現したモノで、どのくらいの大きさにするか決めかねていましたが、来年ギャラリーで発表する作品は、ギャラリーの広さを考えて、ある程度の大きさに限定 […]
  • 「聚景」印のデザイン 私の立体作品は、陶彫による部品を組み合わせて構成する集合彫刻で、ギャラリー等で展示する際に別々に箱詰めした陶彫部品を取り出して、番号を確かめながら組み合わせていきます。工房では全体像を考えながら部品 […]
  • 新作印のデザインと彫り 陶彫部品を組み合わせる集合彫刻には、私は新作ごとに新しい印を貼り付けています。これは多くの部品から成り立つ故の工夫ですが、陶彫部品ひとつひとつの隠れた場所に印を貼り、番号をつけておきます。その番号に […]

Comments are closed.