GW⑥ 「発掘~角景~」脚の木彫

ゴールデンウィーク6日目になりました。今日から「発掘~角景~」のテーブルの制作に入りました。まずはテーブルを支える4本の脚ですが、柱状の木材を彫ることにしました。テーブルの柱に陶板を接合する「発掘~根景~」とは雰囲気を変え、「発掘~角景~」の陶彫部品はテーブルの下に吊り下がるだけで、他に陶彫は使わないことにしました。木彫は本当に久しぶりでした。今年は陶彫ばかりやっていたので、木彫技法は新鮮でしたが、土練りで使う筋力と木彫で使う筋力が異なり、今日一日で結構疲れました。まず鑿を研ぎました。鑿を木槌で打つ感覚を取り戻しました。チェンソー等の電動工具も使いました。作り出すと木屑だらけになることを再認識しました。陶彫はモデリングで、木彫はカービングです。彫刻技法で言えば正反対のものを併用しているわけですが、これは従来やってきた自分なりの方法なので、取り立てて違和感はありませんでした。陶彫で作った部品は抽象形態なので、木彫も抽象形態を彫ることにしました。当初から持っているイメージは菱形が連なる柱です。現代彫刻の父ブランクーシの「無限柱」が頭を過ぎりますが、私の場合はルーマニアの片田舎で遭遇した木造民家の柱の方がイメージが強く、当時は魔除けに使われた民俗的な造形に心を奪われました。ブランクーシはルーマニア出身なので、あるいは彼もそうしたルーマニアの民俗的装飾から抽象彫刻を発想したのかもしれません。私は過去にも木彫で菱形のパターンは彫ったことがあります。その時もそうでしたが、今回も彫り跡を残すことにしました。私は木材の素材感が好きなので、鑿の跡は意図的に残しています。陶彫を錆びた鉄のようにするため、指の痕跡を残さないこととは対照的です。木材でも厚板は砂マチエールで覆うことが多く、これは木材である痕跡を消しています。素材の扱いに私なりの理屈があるわけではないのですが、説明のしようのない自己感覚なのでしょうか。今日の作業時間は定番になった7時間ではなく、8時間以上を木彫に費やしました。明日も木彫を継続しますが、明日は早朝から作業を始めないと「発掘~角景~」脚の木彫が終わらないような気がしています。ちょっと焦りだしました。

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