週末 全体と部分について
2018年 4月 22日 日曜日
今日は朝から工房に行って制作三昧でした。新作「発掘~根景~」の陶彫部品が最終段階を迎え、制作に拍車がかかりました。私の作品は集合彫刻で、数ある陶彫部品をボルトナットで繋いで構成していきます。もちろん最初は全体像としてのイメージを持っていますが、それを部分に分けて、ひとつずつ制作をしていくのです。陶彫部品一つひとつに施す彫り込み加飾は、統一したデザインにしています。陶彫部品をコツコツ作っている時は、全体構成を考えずにやっていることが結構あります。部分を気儘に作った後、全体の中でそれらを収めていく時に緊張感が走ります。場合によっては部品と部品を繋ぐ部品を急遽付け加えることがあります。気負った部品ばかりになってしまうと、お互いが殺しあって全体が弱くなる傾向があるのです。あっさりした部品も必要なのです。あまり途中で全体を考えすぎると、収まりは良くなりますが、退屈になる可能性もあります。集合彫刻である以上、主張する部品同士が対峙し、たとえ反発していたとしても思わぬ効果が生まれることもあります。まるで人間の社会のようで骨の折れる辛さや楽しさもあります。陶彫部品を作っている時、私は陶を扱う職人と思っています。近視眼的で丁寧な仕事を念頭に入れて作っています。楽団で言えば楽器演奏者です。全体を考える時、私は芸術家になります。自分の造形的主張をまず捉え、部分を生かし、全体をまとめていきます。楽団の指揮者になるのです。そんなことを思いながら今日の制作時間を過ごしていました。来週あたりから芸術家としての仕事が始まります。職人とは異なる厳しさが待っています。もうすぐゴールデンウィーク、この連休は芸術家として頑張らなければなりません。
関連する投稿
- 週末 陶彫制作を続行 4月に入って初めての日曜日ですが、今日のところは通常通りの制作時間で陶彫制作を続行しました。先月末で二足の草鞋生活を解消した私は、もう少し余裕を持って制作が出来るのですが、習慣というか、現状保持が気 […]
- 閉庁日における制作目標 昨日から始まった職場の閉庁日(休庁期間)ですが、改めて制作目標を掲げておきたいと思います。週末である今日も朝から夕方まで陶彫制作に明け暮れました。閉庁日9日間のうち、元旦と従兄弟会を除く7日間で何を […]
- 週末 新作は直方体が基本 今日は朝から工房に篭りました。新作の3点目の陶彫部品の成形を行ないました。現在は床から立つ直方体を作っています。比較的大きめな直方体を立ち上げましたが、今後は大小さまざまな直方体を考えています。大き […]
- 三連休 充実の3日間 今日で三連休が終わります。初日は陶彫制作の後、フェルメールとムンクという人気絶大の美術展に出かけてきました。2日目は20個目の陶彫成形と21個目の成形のためのタタラ準備で朝から夕方まで工房にいました […]
- 今年最初の夜の制作 三連休でやり残した作業を、今晩仕事から帰宅した後、工房でやりました。1時間程度なら寒くても作業が出来ると判断して、暗い夜道を工房に向かいました。工房に着いて作業を始めると、工房に棲みついている魔物に […]
Tags: イメージ, 制作, 彫刻, 陶彫
The entry '週末 全体と部分について' was posted
on 4月 22nd, 2018
and last modified on 4月 22nd, 2018 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.