週末 全体と部分について

今日は朝から工房に行って制作三昧でした。新作「発掘~根景~」の陶彫部品が最終段階を迎え、制作に拍車がかかりました。私の作品は集合彫刻で、数ある陶彫部品をボルトナットで繋いで構成していきます。もちろん最初は全体像としてのイメージを持っていますが、それを部分に分けて、ひとつずつ制作をしていくのです。陶彫部品一つひとつに施す彫り込み加飾は、統一したデザインにしています。陶彫部品をコツコツ作っている時は、全体構成を考えずにやっていることが結構あります。部分を気儘に作った後、全体の中でそれらを収めていく時に緊張感が走ります。場合によっては部品と部品を繋ぐ部品を急遽付け加えることがあります。気負った部品ばかりになってしまうと、お互いが殺しあって全体が弱くなる傾向があるのです。あっさりした部品も必要なのです。あまり途中で全体を考えすぎると、収まりは良くなりますが、退屈になる可能性もあります。集合彫刻である以上、主張する部品同士が対峙し、たとえ反発していたとしても思わぬ効果が生まれることもあります。まるで人間の社会のようで骨の折れる辛さや楽しさもあります。陶彫部品を作っている時、私は陶を扱う職人と思っています。近視眼的で丁寧な仕事を念頭に入れて作っています。楽団で言えば楽器演奏者です。全体を考える時、私は芸術家になります。自分の造形的主張をまず捉え、部分を生かし、全体をまとめていきます。楽団の指揮者になるのです。そんなことを思いながら今日の制作時間を過ごしていました。来週あたりから芸術家としての仕事が始まります。職人とは異なる厳しさが待っています。もうすぐゴールデンウィーク、この連休は芸術家として頑張らなければなりません。

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