千葉の「百花繚乱列島」展

先日、千葉市美術館で開催中の「百花繚乱列島」展に行ってきました。本展には「江戸諸国絵師めぐり」という副題がついていて、全国津々浦々のご当地絵師だけではなく、藩の御用絵師も加えて、彼らが地元の画壇で活躍し、ゆかりの絵師として大切に守られてきた作品の経緯を知ることができました。地域ごとに松前、秋田、仙台、須賀川、金沢、水戸、栃木、江戸、下総、尾張、三河、伊勢、近江、京都、大坂、美作、備前、姫路、鳥取、讃岐、徳島、薩摩、長崎といった分類で展示されていました。この中には力量がある絵師たちも多く、思わず見入ってしまう卓抜した絵画もありました。私は個人的には西日本に好きな絵師が多いかなぁと思いました。美術史の中において未だ無名の絵師の中に、その場を立ち去り難くなった作品があって、それは稿を改めようと思っています。図録にこんな一文がありました。「とくに江戸時代中期以降、絵画の『百花繚乱列島』を生み出す大きな支えとなったのは、徳川幕府が諸大名に課した参勤交代の制度であった。これが江戸の文化を国元へ伝える大動脈の役割を果たしたのはいうまでもない。そのために整備された街道を利用して、武士仕えをする文人ばかりでなく、市井の職業文人たちの移動がさかんにおこなわれる。公命はもとより、遊学、観光、放浪、出稼ぎと彼らの目的はさまざまであったろうが、全国各地において文人たちは交遊の機会をもった。寄合書画(つまり合作)は、そうした出会いと別れの場から生み出された。」(成澤勝嗣著)交流があればこそ文化が豊潤になり、おらが村で一番の絵師が誕生する契機となり、その功績を讃えて、数々の作品が地元の蒐集家のコレクションとして大切に保存されたのでした。「百花繚乱列島」展を見て、これらの作品が全てとは思えず、地方にはまだまだ埋もれた優秀な芸術家がいるのではないかと思いました。

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