「発掘~根景~」と「発掘~角景~」

タイトルには簡潔な語彙を用いるのが私の作品に対する考え方です。そこに思索的な要素は入れずに、見てわかるようなタイトルをつけるようにしています。現在作っている2点の陶彫作品を「発掘~根景~」と「発掘~角景~」にしました。大きなテーブル彫刻を「根景」にした理由は、テーブルの下に吊り下がる陶彫は床にまで達していて、さらに床置きの陶彫から四方に伸びていく根幹を、そのままタイトルにしただけなのです。見た通りの単純なタイトルです。小さなテーブル彫刻を「角景」と名づけました。それはテーブルの下に吊り下がる陶彫の形状からタイトルを考えました。私は最初に形態イメージがあって、タイトルは後付けです。自分のイメージの根源を探っていけば、別のタイトルを思いつくかもしれませんが、イメージは記憶の蓄積から導かれるものなので、私にもこの作品のイメージがどこからきたものか見当がつきません。ただし、タイトルに「景」の文字をつけているのは、私が風景を意識しているからです。彫刻という西洋の概念や技法を学び始めた頃には、習作として人体を塑造していましたが、そのうち作品に風景を取り込むようになり、現在に至る世界が生まれました。タイトルの前に「発掘」をつけて連作を図っているのは、焼成した陶彫が古代の出土品を思わせる質感を得ていることに起因しています。私が彫刻作品に風景を取り込む契機となったのは、エーゲ海に広がるギリシャ・ローマ時代の都市遺跡を見たことによります。そこから40年が経過して、私の作品の方向が少しずつ変わってきました。今ではイメージの複合化が齎す楽しさを実感しているところです。

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