作品タイトルをどうするか?

昨年の夏より取り組んでいる新作には、まだタイトルがありません。大きなテーブル彫刻やら小さめのテーブル彫刻といった呼び方をしていて、そろそろタイトルをつけないと不便だなぁと感じています。タイトルは作者によって考え方が異なり、全て無題にして番号だけをつけている人もいれば、かなり凝ったタイトルをつけている人もいます。タイトルそのものが、作品に内在する思索に導くような難解な造語をもって、それにより作品世界を深く豊かにしている場合もあります。鑑賞する側が、タイトルをヒントにして造形世界を読み解くのも楽しみのひとつだろうと思っています。私の場合はタイトルにそこまでの拘りはありません。タイトルは作品を簡潔に語るもので良しとしています。時として比喩や造語も用いますが、謎を呼ぶようなものはありません。私の造形イメージはカタチ先行で、コトバを有していません。コトバはコトバとしてイメージを遡って搾り出してくるしか方法はありません。現在作っている新作は、そもそも何を求めて具現化しているのか、造形イメージからコトバを搾る(絞る)のは、なかなか難しい作業です。タイトルが決まると、そのタイトルを使って、造形作品とは違う世界が私の中で生まれてきます。ホームページに造形作品とともに掲載している拙いコトバは、そうして生まれてきたコトバなのです。10代の頃から私は詩作に憧れ、幾多のコトバに反応してきました。それでもコトバは造形ほど直截簡明な表れ方が出来ず、自分の中で空回りをしてきたと思っています。いつしか私はコトバを苦手と思うようになり、詩作など到底不可能と決めつけています。タイトルがなかなか出てこない状態は、そんな要因があるのかもしれません。それでもコトバをホームページに載せてしまうのは、浅はかな考えであることは充分承知しています。新作のタイトルをどうするのか、もう少し考えてみようと思っています。

関連する投稿

  • ギャラリー「構築~瓦礫~」アップ ホームページのギャラリーに2010年制作の「構築~瓦礫~」をアップしました。ギャラリーやRECORDにアップしてある作品に関する解説は一切避けて、同じ発想のもとで作ったコトバを添えています。カタチと […]
  • 複数の表現媒体をもつ 手元に「月歩き」(庄司利音著 […]
  • 詩集「青蜥蜴の夢」を読み始める 横浜駅地下街の古書店で見つけた「土方久功詩集 […]
  • 言語と図像の関係 「言語と図像とは、位相を異にしながら、牽引し合う。余白に書かれたように見えながら、言語影像としての自発的な対位法をもつ。」(「瀧口修造全集5」みすず書房)自分がコトバを選ぶ時に感じることのひとつに、 […]
  • 造語タイトル「宙景」と「座景」 このところ自作のタイトルは造語にするしか考えが浮かばず、漢字を繋げて造形イメージに近づけようとしています。「層塔」「群塔」「環景」など、過去のタイトルを振り返ると、造形イメージとの一体化を図る意志が […]

Comments are closed.