週末 惜別記事を読む

やっと週末になって、陶彫制作に没頭できる機会がやってきました。朝から工房に篭って、乾燥した陶彫部品の数々に仕上げを施し、化粧掛けを行いました。もっと詳しい制作状況をNOTE(ブログ)に書こうと思って、夕方自宅に戻ってきたら、朝日新聞の夕刊に掲載されていた惜別記事に目が留まりました。先日も新聞で彫刻家保田春彦先生の訃報を知って、NOTE(ブログ)に書きましたが、今日の記事は写真がありました。大学で制作中の保田先生の画像でしたが、40年前に私が垣間見た先生の姿を思い出しました。金属による鋭利な抽象彫刻を作っているところに、私は惹かれてしまいます。さっきまで私も工房で制作をしてきたので、制作中の空気が伝わってくるのです。新聞記事から気になった箇所を拾ってみます。「遺跡や建築を思わせる、思索的で緊張感漂う金属の抽象的な彫刻で、高い評価を得た。」これは保田先生の一貫した作品の概略です。「歯にきぬ着せぬ指導で、表現の核心が分かるまで手を動かすなと教えた。」これは教え子でもあった鈴木久雄教授の弁で「高踏的な暴君」ではあるけれど「人間的」とも言っています。保田先生に親しい鈴木先生も、自分と同じような感覚を持っていたのかと思いました。私が保田先生に近づけなかったのはこんな理由があったんだよなぁと改めて思ったのでした。「イタリア出身の妻シルビアさんを亡くし、70歳代に作風が一変。叙情的な白い家形の木彫や膨大な数の裸婦デッサンを残した。」これはここ最近の新作を、世田谷美術館や南天子画廊で拝見していたので、よくわかります。制作に厳しかった保田先生も心境の変化が訪れたんだなぁと思っていました。最後に美術評論家酒井忠康氏のこんなコトバがありました。「元々ギリシャ以来の伝統を背負い、人体を基本にした人。晩年は青春に戻ったのではないか。純粋で不器用で、ニコニコなんてできなかったが、寂しがりやだった。」気難しい保田先生の風貌が甦りました。

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