2月RECORDは「絡」

今年のRECORDは月毎に画面構成のパターンを決めています。2月は同一の柱が並ぶ画面構成にして、そこに有機的な物体が絡んでいくイメージで制作していこうかと思っています。下書きをすると画面全体が縞模様になりますが、自分の意識としては縞ではなく柱の捉えです。平面的な捉えより、そこに立体を見取っていく方が自分は面白いと感じていて、下書きをするときは常に空間を意識しているのです。先月のNOTE(ブログ)にクリムトの世界観を書いた文があります。琳派のような装飾的平面性と西洋的な立体解釈の人物像が、同じ画面に共存することによって、象徴化された世界が登場するといったようなことを書きました。その相対する世界が面白いと感じるのは私だけでしょうか。若い頃、ルーマニアやギリシャの教会で見たイコン(宗教画)にも、イエスや聖母マリアの周囲を平面的な図像が配置されていて、象徴的な美しさを際立たせていました。同一画面に共存する写実表現と平面装飾の織り成す世界は、対象を強調する心理的な効果を与えるのではないかと私は考えます。小さく些細なRECORDが、古今の流麗な作品に匹敵できるとは思いませんが、その要素を大いに取り入れていきたいと思っています。今月も頑張ります。

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