アートの役割について
2018年 1月 24日 水曜日
私たち専門職が集まる研究集会の中で、某美術大学に勤める教授を講師に招いて話を伺う機会がありました。その中でアートの果たす役割についての話になり、私は興味関心を抱きました。かつて学校教育の中で芸術教科は必要ないのではないかという強権論がありました。今はそれを言う人はいません。国際社会の中で自分の意見を主張できる人材を養成することが、あらゆる分野で必要になっています。それを学校教育で担うことが、次期学習指導要領で謳われているのです。課題に対してどう主体的に対処するか、アクティヴ・ラーニングと言われているものが、既に様々な校種の授業に入ってきています。アートの授業は、個人の課題解決がやりやすいので、感性を育むとともに自己主張が可能な授業なのです。未来型スキルの中に、社会文化的・技術的ツールを相互作用的に活用する力や人間関係形成能力、自立的に行動する能力が入っています。現代は、従来の日本人が持つ調整型の人材ではない、確固とした己を主張する能力が問われるようになってきたと言えます。また、経済やテクノロジーが主流を占める現代社会の中で、その分野の閉塞感を打ち破るのはアートの力が必要だという考え方があります。理工学+アートという考え方は不思議な感覚を与えますが、創造的な思考がなければ、その先に進めないというところが開発者たちの実感なのかもしれません。現代の多義的多角的な構造を持つ様々な分野の中で、アートの役割は確実視されていることは疑う余地がありません。これは私としては嬉しいし、アートが世間の追い風になってくれることを望んでいる一人です。
関連する投稿
- 週末 創作へのモチベーション 昨日までは梱包用木箱作りと陶彫部品の梱包に励んでいましたが、今日は来年に向けた新作の陶彫制作を行うことにしました。今月の個展が迫っているので、その準備として梱包をやっていたのですが、そればかりやって […]
- 週末 3点目の陶彫成形 日曜日は毎回美大受験生が2人工房へやってきます。彼女たちのうちの一人は予備校の夜間コースに通っていて、そこで出された課題を工房に持ち込んでくるのです。昼間は高校に通い、夜は予備校、そして週末は工房に […]
- 16回目の個展開催の7月 7月になりました。昨年のNOTE(ブログ)を見ていると「15回目の個展開催の7月」というタイトルが7月1日にありました。昨年に倣って今年はタイトルを16回目に変えました。昨年、私はまだ校長職にあって […]
- 週末 新作の陶彫彫り込み加飾 今日は朝から美大受験生2人が工房に来ていました。私が週末であるのを意識できるところは彼女たちが来ているかどうかだなぁと思っています。工房での作業は週末だからといって私には特別でなくなっているため、人 […]
- 牟礼の地に思いを馳せて… 東京都美術館で開催されている「イサム・ノグチ […]
Tags: 創作
The entry 'アートの役割について' was posted
on 1月 24th, 2018
and last modified on 1月 24th, 2018 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.