今日は初窯入れの日

新作の窯入れは昨年よりやっています。既に全体の半分くらいが焼成済みです。新年の仕事始めと同じ意味で、今日は2018年になって初めて窯を使った日です。制作は元旦だった昨日からやっていますが、一日中工房に篭って制作していた今日は、ほとんど正月休みであることを忘れていました。昨日、浅草の染工房で仕事をしていた若いスタッフは、朝から相原工房に来ていて、自らの創作活動をやっていました。彼女の今月の予定は、浅草と横浜を行き来して観光客向けのワークショップと創作活動を休むことなくやり続けることです。休まないことに関しては私と同じです。私は今月4日から公務員としての仕事が始まりますが、それまでは創作活動三昧です。窯入れは陶彫にとって最後の制作工程で、人の手の届かない炎神の棲む世界を通過する儀式と言えます。それがあるからこそ陶彫が面白いのです。陶土が高温によって石化する時に素材が変容します。私の混ぜ合わせた陶土は、錆びた鉄のような鎧を纏って私の眼前に姿を現すのです。窯出しの際、亀裂がなければ私は天にも昇る心地よさに打たれます。私は20数年間飽きもせず同じ手法で焼成を繰り返していて、この錆びた鉄色が自分の世界観を表す最善のモノと思っているのです。当然鉄のように見えるのは陶土なので、錆が進むことはなく、何年経っても表面の変化はありません。混合する陶土だけではなく、焼成前に施す化粧土にも微妙な重ね塗りをしています。それが陶土表面の深い色彩を生むのです。一旦窯入れをしてしまうと電気の関係で工房が1日半は使えなくなります。明日は窯の温度の確認に工房に行きますが、作業はしないつもりです。スタッフも明日は浅草の染工房に出稼ぎに行きます。4日の午後に窯の温度を再確認して、次の窯入れの準備を始めようと思っています。

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