三連休 美術館&成形作業

三連休の中日です。今日も鑑賞と作業の二本立ての一日になりました。午前中は東京六本木の国立新美術館に家内と出かけ、自由美術展に出品されている池田宗弘先生の彫刻作品を見てきました。思えば師匠の池田先生には40年以上もお世話になっていて、先生の作品は漏れなく見させていただいています。ここ2年ほど長野県麻績の自宅兼工房「エルミタ」に伺うことが出来なかったので、先生の作品の進展状況を知らずにいました。昨年から修道士が悪魔に誘惑されている状況を彫刻にしている先生は、今年も真鍮直付けの技法で、修道士と悪魔の関わりを表現していました。今年の新作は悪魔が小さく可愛らしくなっていて、恐怖で圧倒する悪魔ではなくなっているなぁと思いました。先生の彫刻は、真鍮素材によって風景を切り取る情景描写に特徴があります。それはギリギリまで量感を削り、蜃気楼のような軽さを獲得していますが、逆に空間的な存在感は増していくように思えます。すっかり見慣れた先生の彫刻ですが、40年前に初めて見た時は衝撃を受けました。軽妙洒脱な先生の世界観と、自分のそれはまるで違う世界観になってしまいましたが、彫刻の本質は変わるものではないので、師弟関係が今も続いているのです。家内の演奏が午後あるので、午前中の早い時間に美術館を訪れたのでしたが、同館で日本を代表する建築家安藤忠雄氏が個展をやっていたので、見たい欲求に勝てず、家内も納得の上で「安藤忠雄展」を見てきました。安藤氏の代表的な建築である「光の教会」の実物が野外に設置されていて、度肝を抜かれました。図面と素材さえあれば建築は再現が可能であることを改めて認識しました。自分は昔から建築に関心が強いので、心が展示に吸い取られてしまいました。詳しい感想は後日に改めます。大急ぎで横浜の自宅に戻り、家内を演奏場所に車で送り届けてから、私は工房に出かけました。こんなこともあろうかと思って、今朝は6時に工房に行って陶彫成形を途中までやっていたのでした。今日も充実した鑑賞があったので疲れました。それでも成形の続きを日が暮れるまでやっていました。明日は工房で制作一本になります。

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