金曜日は勤務終了後に展覧会へ

今日は私用があって2時間ほど年休をいただきましたが、年休を取らなくても金曜日の夜は美術館の開館時間が延長されているため、仕事帰りに美術館に立ち寄ることが可能です。私用はあっという間に終わり、今日は家内と連絡を取って、東京の美術館に行くことにしました。後輩の彫刻家が毎年二科展に出品していて招待状をいただいているのです。二科展の会場は国立新美術館で、公募団体としては規模が大きく見応えのある作品もあって、私は毎年必ず見に行っています。後輩の彫刻家は抽象的な木彫作品を作っています。彼は技術面で優れていて、厚板を刳り貫いて有機的な文様が立体化された作品を作っています。今年は球体に取り組んでいました。球体は空洞になっていて、表面には彼らしい文様が刳り貫かれていました。相変わらず巧みな作り込みだなぁと思いました。技術が進むと軽ろやかな形態になり、重量を感じさせなくなります。その軽やかさは表現の売りになりますが、危険も孕んでいます。彫刻は技術面も重要ですが、造形に対する精神性が問われます。その度合いが工芸やデザインよりも強いのではないかと私は感じています。彫刻が人の心を打つのは技巧ではなく、もっと別の次元です。技巧に走りすぎると、表現として訴える力が萎えてくるのです。技巧を超えるインパクト、空間に置かれる立体構造物にどんな意味を持たせるのか、哲学を要する造形思考がそこにあります。そんなことを考えながら、彼の力作を見ていました。その後、六本木の国立新美術館から上野の国立西洋美術館に移動し、話題の「アルチンボルド展」を見ました。すでに延長開館時間になっていましたが、多くの人が来ていました。「アルチンボルド展」の詳しい感想は後日にしたいと思います。

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