台湾旅行①

毎年、私は夏季休暇をもらってアジア各国を旅行しています。仕事の関係で最大5日間しか休めませんが、東南アジアに点在する世界遺産を巡ることにしていました。今年は世界遺産ではなく、世界規模の博物館を見にいこうと決めていました。台湾旅行の目的は國立故宮博物院をしっかり見てくることです。初日は博物館ではなく、台湾らしい観光スポットに行くことにしました。格安の航空券のせいか、早朝のフライトだったため、昨晩のうちに私たち夫婦は羽田空港にやってきて、ロビーで仮眠をとりました。私たちはもう若くないとでも家内は言いたそうでしたが、昔から私に仕方なく同調してくれるところがあります。ところが飛行機が2時間も遅れ、台湾到着は昼ごろになりました。初日の台湾らしい観光スポットというのは、台北から少し離れた九份のことで、ジブリのアニメ「千と千尋の神隠し」のイメージに取り入れられた小さな町でした。民芸店が軒を連ねる階段坂の途中にある「阿妹茶酒館」が、アニメに登場するレトロな湯屋を髣髴とさせる建物になっていました。「阿妹茶酒館」は、洋の東西の折衷とも言うべき独特な景観に、赤い提灯が沢山掛かっていて情緒豊かな店構えでした。その脇には不思議な洞窟もありました。九份は、海が見渡せる沿岸に多くの建物が凝縮して建っているため、健脚でなければ観光できないスポットで、その狭い坂道に溢れるほどの観光客が訪れ、週末に近い今日は、先へ行くことも戻ることも出来ないほどの混雑振りでした。夕暮れ時の提灯が美しいとガイドブックにあるため、各国から夕方の時間帯に九份を目指して来るようで、路上では日中韓のコトバが飛び交っていました。夜になって九份を後にして、饒河夜市を訪れました。入口に慈祐宮という寺院があって、その煌びやかさに驚きました。夜市では雰囲気を見るだけで食べ歩きもせず、市街のホテルに戻ってきました。台湾の人々は全般的に親日であり、道で場所を尋ねても親切に教えてくれる人が多いと感じました。タクシーの料金も心配は要らないと思いました。明日は市内を観光しようと思います。

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