今日はギャラリーせいほうへ…

公務員の仕事が一段落したので、今日は年休をもらって東京銀座のギャラリーせいほうへ家内とやってきました。開館の午前11時にさっそく家内の友人たちが来てくれました。10人の来廊者の前で作品の解説をお願いされて、少々困りました。作品を見た人がそのまま何かを感じ取ってくれればいい、というのが抽象作品なので、作家が発したコトバが鑑賞の弊害になることもあります。そこを配慮しながら抽象にいたる動機を話させていただきました。「発掘」シリーズは自分が20代の頃、エーゲ海沿岸で遭遇した遺跡の数々が発想の発端になっています。西洋文化である彫刻概念を追いかけていた自分は、西洋文明の曙期の造形に接し、そこから自分の活路を見出したのでした。次に大手民間企業で長く働いていた方とも同じような話をする羽目になり、今日は現行の作品に至る思索を多少なりとも暴露することになったなぁと思いました。私の公務員の同業者も何人か来廊してくれました。病気を患い、夏以降の回復を願っている人や私と同じ再任用で頑張っている人がいて、私たちの業種はなかなか厳しい面があると改めて思いました。彫刻家の同業者も何人か来ていただきました。一日ギャラリーにいると、さまざまな人と会って刺激を受けたり、認識を改めたりして密度の濃い一日を過ごします。私が不在だった3日間にも多くの人が来ていて、その場を借りて失礼をお詫びするとともに、あぁこの人と話がしたかったと思うことがありました。毎年私の作品を見ていただいている文筆家の方々はそのうち何かしらのカタチで感想が届くのではないかと期待しているところです。その一人である紀行作家のみやこうせいさんは芳名帳に感想を書いていただきました。有難うございました。明日もギャラリーにおります。

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