週末 「発掘~宙景~」柱の調整

「発掘~宙景~」は組み立てや設置に手間のかかる集合彫刻です。4本の柱陶で正方形に近いテーブルを支え、そのテーブルの下に陶彫部品を複数吊り下げていく構造です。前に木材店で2m50㎝でカットしてもらった柱が8本ありますが、もう少し短くしたいと思って、柱に貼り付ける陶板と、既に完成している吊り下げ用の陶彫部品を見ながら、その長さを決めました。まず、4本だけ1m70㎝にカットしました。1本の柱に12枚の陶板を貼り付けることにすると、陶板は48枚必要となります。あとどのくらい作ればいいのか、今後は計算しながらやっていこうと思います。今日のところは4本のカットと、それぞれの柱の先端部分を細く丸く彫ったところで夕方4時を回りました。今日は陶彫も併せてやっていきたかったのですが、一日のうちで木彫と陶彫を併行して制作するのは、気持ちの切り替えが難しく、これは無理だと思いました。「発掘~宙景~」を今月中にどうやってやっていこうか、午前中は思案していました。結論は明日に持ち越します。というのも制作時間を鑑み、最初のイメージの変更を余儀なくされることもあり、イメージの組み立て直しを考えなければならないからです。イメージの迷路に彷徨い出すと精神的に厄介なことになるので、午後は鑿を振う単純作業に入りました。彫刻は職人仕事があるため、頭のリフレッシュが出来る利点があります。もう一度、今回の個展出品作品をどうするのか、明日仕切り直したいと思います。そんなことがあって、今晩は気分転換のために家内と映画鑑賞に行きました。常連である横浜のミニシアターのレイトショーで、ケン・ローチ監督の「私はダニエル・ブレイク」を観ました。英国の行政システムに翻弄される元大工の主人公。彼自身も苦しい立場にありながら、貧しい薄幸の親子を親身になって助ける主人公に、人間の尊厳を見る思いがしました。ケン・ローチ監督は底辺で生きる人々を通じ、現代社会が抱える矛盾を描き出していました。同伴の家内は母の介護関係の件で、実際に区役所とやりあったことがあり、映画に並々ならぬ共感を覚えていました。人々の思いが交差する中で、訴えかけてくるものがシンプルで捉え易く、映画としては秀作だと思いました。詳しいことは後日改めます。

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