三連休 高松市街の散策

昨日から香川県高松に来ています。泊まったビジネスホテルは街の中心である兵庫町にありました。今日は市街を徒歩で周ることにしました。アーケードのある商店街を散歩して、朝9時半に高松市美術館に着きました。エントランスに巨大な石彫「ナガレバチ」がありました。彫刻家流政之氏の代表作です。企画展は「北原千鹿展」をやっていました。北原千鹿は大正時代から昭和にかけて活躍した金工家で、動物や植物などを象徴化した緻密な彫金で知られています。常設会場では日本伝統漆芸展をやっていて、工芸ずくめの2つの展覧会で、作家の磨き抜かれた技を堪能しました。高松市美術館を出て、港の方面に歩いていきました。高松城があった玉藻公園を目指して歩くこと数十分で、公園に隣接した香川県立ミュージアムに到着しました。企画展はやっていませんでしたが、常設展を見た後で2階ホールにあるイサムノグチの石彫を見ながら休憩を取りました。ここで前に「速水史朗展」を開催していたらしくその図録がありました。彫刻家速水史朗氏は香川県在住で石彫の他に陶彫でユーモラスな造形をやっています。私は学生時代に東京銀座のギャラリーせいほうでやっていた速水氏の陶彫展にお邪魔したことがありました。私が陶彫をやろうと思った直接のきっかけは、彫刻家辻晋堂の陶彫作品と速水氏にありました。速水氏は現在もギャラリーせいほうで個展をやっています。ミュージアムを出てから目の前にある玉藻公園に行きました。ここにあった高松城は瀬戸内の海水を外堀、中掘、内堀に引き込んだ水城で、高松は城下町として栄えたようです。現在も残る月見櫓に入ることが出来たので、急勾配な木造階段を登ってみました。玉藻公園は庭の手入れが行き届いていて、数多い松が見事でした。午後2時過ぎに高松駅からリムジンバスに乗り、高松空港にやってきました。4時10分に高松を発ち、1時間ほどで羽田空港に到着しました。自宅に帰ってから工房に行きました。明日の制作のためにタタラを用意しなければならず、旅行の疲れを残したまま作業をやりましたが、工房にいると不思議に活力が湧いてくるのです。工房には創作の魔物が棲んでいるとしか思えない夜の1時間でした。

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