週末 砂マチエール搬入
2017年 2月 11日 土曜日
今日は朝から工房で制作三昧でした。陶彫制作を中断して「発掘~座景~」の台座作りに精を出しました。台座には砂マチエールを施す予定です。砂マチエールは東京神田にある文房堂本店より取り寄せています。文房堂が自社で製造している砂マチエールが一番使い勝手が良いのです。以前は画材店で少しずつ購入していましたが、大量に必要なので本店からまとめて送ってもらうことにしたのでした。私は砂マチエールとの付き合いは30年位前から始まっています。現在の「発掘」シリーズに繋がるイメージを海外滞在でヒントを得て日本に帰った私は、試行したい陶彫のノウハウも制作環境もなく、その代理として油絵を描き始めました。油絵の具に砂を混ぜて陶壁のようなマチエールを作り出していました。当時は現在のような砂を硬化剤で画面に定着させた後で油絵の具を滲み込ませる方法ではなく、油絵の具に混ぜて使っていましたが、それは絵の具が大量に必要で、もっと経済的な方法はないものか試行を繰り返すうちに現在の方法に辿り着いたのでした。陶彫の実験を経た後、漸く完成に漕ぎつけたのが「発掘~鳥瞰~」でした。「発掘~鳥瞰~」では陶彫部品と併用して砂マチエールを施しました。継続していた油絵の表現に陶彫が加わったカタチになります。今までの作品では陶彫だけで完成しているものもありますが、陶彫と木彫を併せた作品も多く、そのうち砂マチエールを施した作品もあります。私にとって砂マチエールは陶土より古くから使っている素材で、陶彫と相性が良いのがわかって、自分のイメージを広げることができたのです。今日の午後、砂マチエールと硬化剤が30本ずつ本店から届きました。再来週の週末に砂マチエールの作業を行う予定でスタッフに話してあります。それまでに「発掘~座景~」の台座の加工を終わっていなければなりません。頑張りたいと思っています。