ナイーヴ・アートの村を訪ねた頃

以前のNOTE(ブログ)にも書いた記憶がありますが、旧ユーゴスラビアの村にナイーヴ・アートの制作現場を訪ねたことがあります。昨日アップしたNOTE(ブログ)で思い出しました。村の各家庭で農閑期に絵画制作に勤しむ村人たちの様子が印象的でした。ここも紀行作家みやこうせいさんと行きました。旧ユーゴスラビアは現在スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、モンテネグロ、マケドニアに分かれていますが、私たちが訪ねたのは現在のクロアチアの首都ザグレブ近郊の村ではなかったかと思っています。当時は現在のようなナイーヴ・アート関連の美術館はあったのでしょうか。村からの帰り道に夕暮れたザグレブに立ち寄っただけなので、そこは定かではありませんが、ナイーヴ・アートの村では大変面白い経験をさせていただきました。何軒か訪ねた農家で見せていただいたのは、ガラスの裏側から風物を描いている制作現場でした。小さなガラス絵だけでなく、大きなカンバスに描かれた作品もあって、作者によっては納屋を改築してギャラリーにしている家もありました。多くの欧米人を相手に商売が成り立っているようで、裕福な農家も多かったように記憶しています。本来は農業の片手間として始めたものだったのに、売れたおかげで専業画家になる人もいたのではないかとも察しました。その時点で制作姿勢はナイーヴではなくなっているのですが、表現形式はそのままなのでナイーヴっぽいアートと言った方が相応しいのかなぁと思いました。ナイーヴ・アートの村を訪ねた頃は、もう30年近く前になるので、現在はどうなっているのか見当もつきませんが、ネットで調べると専門に扱う美術館があるので、文化の中に根を下ろした表現領域になっているのでしょう。

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